育児と同様に、介護も長い間「女性がするもの」とされてきました。どれほど多くの女性が、介護のために職を失ったことでしょう。高齢化が急速に進む中で、ようやく介護休暇が認められるような時代になりました。こうした支援体制が進んだ背景にあるのが、法の改正です。

「女性を差別しない」ことを目的に成立した男女雇用機会均等法は、それまで募集・採用・配置・昇進・教育制度などに関して「事業主の努力義務」とされていました。それを見直した改正均等法が1999年に施行され、募集・採用・配置・昇進についての男女差別は禁止となり、これに違反した企業は公表されると改められたのです。また、事業主の「積極的是正措置(ポジティブ・アクション)」を促す規定や、「性的嫌がらせ(セクシャル・ハラスメント)」への対処を定めた規定も新しく設けられました。じっと我慢するのではなく、性的嫌がらせをはっきりと訴えることができるようになったのです。

ただし、男女が差別なく平等となったことにより改正された労働基準法では、「時間外・休日労働および深夜業の禁止」規定が廃止されました。妊娠・出産に関する母性保護はそのまま残されています。このような状況の中で成立・施行された「男女共同参画社会基本法」には、男女差別は人権侵害と明確にした上で、あらゆる分野での男女の責任分担、家庭と仕事、学校・地域活動などの両立を「国民の責務」としています。「育児をしない男を、父と呼ばない」という厚生労働省のポスターは、これに基づいているのです。